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2006年3月20日 (月)

【Q】DNAの2重らせんは、けんびきょうなどを使えば目で見ることができるのです

 巷には二重らせんの図や美しいCGがあふれかえっていますので、そういうふうに見えると思うのは無理がないところですが、見えないからこそ図やCGが活用されているということなのですね。またまた川本さんがお答えします。

Q: DNAの2重らせんは、けんびきょうなどを使えば目で見ることができるのですか?(mana)

A: 結論から言うと、二重らせんは今の技術ではまだ見えません。二重らせんの幅は2nmしかありません。これは2mmの1/1000000の大きさです。これくらい小さいと、私たちの目が捉えることができるふつうの光(可視光)を使った、光学顕微鏡という顕微鏡では見えません(学校の理科室によくある顕微鏡です)。可視光ではなく、電子線というものを標本にあてる電子顕微鏡では、すじ状になっているDNAを見ることができますが、二重らせんは見えません。走査プローブ顕微鏡とよばれる特殊な顕微鏡をもちいると、ようやくぼんやりとねじれたような感じにDNAが見えます。でも、これでは二重らせんという立体的な形まではわかりません。
 DNAが二重らせんだということは、直接形を見てわかったことではありません。X線というものをDNAにあてると回折という現象がおきて、縞模様が見えるのですが、この縞模様から、計算によって、二重らせんという立体的な形をわりだしたのです。(川本)

 DNAが2重らせんであるということを突き止めて論文にしたのが、ワトソンとクリックで最近は二重らせんの片方のらせんをワトソン、もう一方のらせんをクリックと呼んだりするようになりました。しかし、実際にX線回折実験をやったのはモーリス・ウィルキンスとロザリンド・フランクリンと言われています。ノーベル賞をもらったのは、ワトソン、クリックとウィルキンスの男性3人だけでした。ノーベル賞の共同受賞は3人までと決まっていたことと、受賞の1962年には彼女はすでに死亡していたことなどの不運が重なったせいだとは思いますが、科学の世界における女性差別の有名な例のひとつと言われています。

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コメント

ありがとうございました。川本さんは質問に答えるセンスが抜群ですね。「わかさいも」についても「成分」についても、かなり楽しく読ませていただきました。
2重らせんが見えるくらいの顕微鏡を発明したらノーベル賞級でしょうか?

投稿: mana | 2006年6月12日 (月) 17時42分

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